記事概要

対象者
  • ディストピア小説を読みたい方
目的
  • 世界三大ディストピア小説の中から読みたい一冊が見つかる

いちごバター

読書歴5年、2人で600冊以上読んできた本好き夫婦が、世界三大ディストピア小説の面白さを相関図を交えてご紹介します!

世界三大ディストピア小説

三大ディストピア小説の括りに『華氏451度』『われら』のいずれかが入るのはなぜか?

「三大ディストピア小説」には統一された定義がなく、代表的な作品として『われら』を挙げる場合と『華氏451度』を挙げる場合があるためです。

本ブログでは、『華氏451度』を採用して紹介しています。

1984 | ジョージ・オーウェル

一党が人々の思想や過去の記憶をも支配するディストピア社会を描いた物語

【国 / 刊行年 / 分量】

イギリス / 1948年 / 文庫494ページ

【面白ポイント】

一党が人々の思想や過去の記憶をも支配するディストピア社会を描いた物語です。

1984年のロンドンでは、党による全体主義のもと、監視・思想統制・歴史改竄が徹底され、恒常的な戦争が続けられています。

人々は苦しい生活を強いられながらも、過去より暮らしが改善したと党に信じ込まされ、たとえ疑念を抱いても、党を疑うこと自体が犯罪となります。

そんな社会に反発するウィンストンは、ジュリアとの恋愛やオブライエンとの接触を通して党に抗おうとしますが、最終的には拷問によって反抗心さえも奪われます。

個人の思考まで支配する全体主義の恐怖を描いた、世界で最も有名なディストピア小説です。

すばらしい新世界 | オルダス・ハクスリー

全人類の幸福を目的に、生殖・階級・価値観を完全支配下に置く世界を描く物語

【刊行年 / 分量】

イギリス / 1932年 / 文庫373ページ(大森望訳)

【面白ポイント】

全人類の幸福を目的に、生殖・階級・価値観を完全支配下に置く世界を描いた物語です。

フォード紀元632年のロンドンでは、人工生殖、階層社会化、幼少期からの価値観刷り込みなどにより、誰もが自らの役割に満足して生きる社会が築かれています。

その社会に馴染めぬバーナードは与えられた当たり前に、野人保護区で育ったジョンは世界国家の規定する価値観に疑問を抱きます。

物語終盤では、自由・愛・芸術・苦悩を求めるジョンと、社会の安定と幸福のためにそれらを制限する世界国家側の対話が繰り広げられます。

不幸になる自由すらも奪う「規定された幸福」の異様さを描く、世界的なSFディストピア小説です。

華氏451度 | レイ・ブラッドベリ

本を燃やす、人々が思考を放棄したディストピア社会を描いた物語

【刊行年 / 分量】

アメリカ / 1953年 / 文庫304ページ(伊藤典夫・小野田和子訳、新訳版)

【面白ポイント】

本を燃やす、人々が思考を放棄したディストピア社会を描いた物語です。

本を読むことが禁じられた社会で、本を燃やす職業・昇火士のモンターグは、少女との対話や老婆の死をきっかけに、そんな社会を疑い始めます。

やがてモンターグは、元教授を訪ねたことで自身の仕事への疑念を深め、昇火士の上司と対立していくことになります。

また、妻や人々が「無思考=幸せ」という価値観のもと娯楽に没頭する一方、外部との戦争によって社会そのものが破壊されていきます。

思考を失ったディストピアで、自ら考えることの価値を見つめ直すきっかけをくれるSFの名作です。

関連記事