記事概要
- 海外文学に挑戦してみたい方
- 日本で売れている海外小説の面白ポイントが分かり、その中から読みたい1冊が見つかる

いちごバター
読書歴5年、2人で600冊以上読んできた本好き夫婦が、日本で売れている海外小説5冊の面白ポイントを紹介していきます!
日本で売れている海外小説5冊

※日本で売れている小説の中で、海外文学作品上位5位を抜粋しています。
※参考
- 一番読みやすいのはどの作品か?
個人的には、『星の王子様』が最も読みやすいと思いました。
星の王子様 | サン・テグジュペリ
大人になるほど曇っていく心の眼を思い出させてくれる物語
【刊行年 / 分量】
1943年 / 文庫160ページ
【面白ポイント】

大人になるほど曇っていく心の眼を思い出させてくれる物語です。
小さな星からやってきた王子が、さまざまな星を巡り、そこに暮らす大人たちと対話を重ねていきます。
権力や金、酒、肩書きに縛られる大人たちの姿を通して、いつの間にか本質を見失い、意味のないものに価値を求める人間の姿が浮かび上がります。
一方で地球でバラやキツネと出会い、愛や絆を知る中で、目に見えるものではなく心で見ることの大切さに気づいていく過程も描かれます。
大人になるにつれて見失ってしまう大切なものを、少年のような純粋な眼差しを通して思い出させてくれる一冊です。
老人と海 | アーネスト・ヘミングウェイ
報われない漁の中で、老人の老いと誇りが浮かび上がる物語
【刊行年 / 分量】
1952年 / 文庫192ページ
【面白ポイント】

報われない漁の中で、老人の老いと誇りが浮かび上がる物語です。
キューバの海を舞台に、不漁が続く老漁師サンチャゴが、巨大なカジキマグロと三日三晩にわたって格闘する姿を描きます。
老人と魚の力比べだけでなく、自然への敬意や漁師としての誇り、運命への葛藤が繊細な心理描写とともに描かれます。
また、痛みや疲労に耐えながらも最後まで魚と向き合う姿は、老いによる限界と、それでも失われない人間の尊厳を強く印象づけます。
老人を慕い続ける少年マノーリンの存在が、報われない戦いの中にも残る希望となり、静かな余韻を物語に与える1冊です。
異邦人 | カミュ
社会の価値観から外れた「異邦人」が、不条理な世界を受け入れる物語
【刊行年 / 分量】
1942年 / 文庫157ページ
【面白ポイント】

社会の価値観から外れた「異邦人」が、不条理な世界を受け入れる物語です。
フランス領アルジェリアにて、主人公のムルソーは、母の死にも涙を見せないなど、社会が求める「普通」と距離を置いて生きています。
ある日、ムルソーは海辺でアラブ人を意図せず射殺してしまい、裁判では殺人以上に母の葬儀での態度を問題視されます。
やがてムルソーは、死刑を目前にして世界の「やさしい無関心」を受け入れ、人生や死に意味を求めない境地へと至ります。
冒頭から積み重ねられた出来事がラストで鮮やかにつながり、不条理の哲学を見事な構成で描き切った、20世紀文学を代表する傑作です。
変身 | フランツ・カフカ
虫になった男とその家族との関係を描いた不条理な物語
【刊行年 / 分量】
1915年 / 文庫97ページ
【面白ポイント】

虫になった男とその家族との関係を描いた不条理な物語です。
20世紀初頭のプラハを思わせる都市を舞台に、巨大な虫に変身したグレーゴルとその家族の生活が、グレーゴル視点で描かれます。
虫への変身という非現実的な出来事を、理由を説明せず日常として描く、カフカ独特の不条理な世界観が魅力です。
かつて家族を支えていたグレーゴルが、家族から疎まれ、恐れられ、暴力を振るわれ、やがて皮肉な結末へと導かれていきます。
人間の価値や家族の在り方を、グレーゴルの変身と家族の変化から問い直す、20世紀文学を代表する不朽の名作です。
車輪の下 | ヘルマン・ヘッセ
才能ある少年が、周囲の期待に押しつぶされていく物語
【刊行年 / 分量】
1906年 / 文庫261ページ
【面白ポイント】

才能ある少年が、周囲の期待に押しつぶされていく物語です。
ドイツ南西部シュヴァーベン地方の小さな町を舞台に、優秀な少年ハンスが神学校を目指し、その後にマウルブロン神学校で学ぶ姿が描かれます。
詩や自然を愛する心を抑え、周囲の期待に応えようとしてきたハンスは、親友ハイルナーとの出会いから自分の生き方を見つめ直します。
その後、神学校を去ったハンスは、エンマとの恋に破れ、機械工として働く中でも神学校と同じ苦行が繰り返されることに絶望します。
周囲の期待に応え続ける中で自分らしさを失ったハンスの姿を通して、個性を押しつぶす教育や社会のあり方の是非を問いかける一冊です。
